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古河電工時報 第107号

Cu-Cr複相合金の開発

三原邦照,栗原正明,大山好正,鈴木洋夫

概要

Cu母相へ第二相としてCrを配置したCu-Cr複相合金を創製した。この合金はこれまで線材を研究対象とし,高強度高導電性の特徴を示す材料であった。今回,板材へ線材と同じくin-situで第二相のCrを延伸させ,リボン状の第二相に成すことに成功し,線材と同じく高強度高導電性の特性を示した。また,第二相が圧延方向に配向した組織を有する材料では機械的特性や物性値に異方性が見られるが,本複相合金にはそれがほとんど現れない極めて特異的な特徴が見られた。更に,第二相のCrが加工により延伸することにより,熱膨張係数が低下する特性が明らかとなった。これまでの高強度高導電性の特徴にくわえて,熱膨張係数を制御できる画期的な合金を開発した。今後,これらの特性はヒートシンク材など種々のThermal management材料として応用されることが期待される。


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