ページの始まり



古河電工時報 第110号

超低分散スロープNZ-DSFの開発

熊野尚美,武笠和則,坂野 操,森平英也

概要

世代の陸上用伝送路光ファイバとして,広い信号波長帯域実現とラマン増幅の適用を考慮して,分散スロープを従来の低分散スロープ型のノンゼロ分散シフトファイバ(Non-zero Dispersion Shifted Fiber; NZ-DSF)の半分以下とした,新型NZ-DSFを開発した。

一般に分散スロープの低減は実効コア断面積(Aeff)の縮小を伴うが,WDM伝送に障害となる非線形現象を回避するためには逆にAeffの拡大が要求される。本研究では,プロファイルの最適化により,Aeffを従来のDSFと同程度の45μm2に維持しつつ分散スロープを0.020ps/nm2/kmまで低減することに成功した。また,分散スロープを低減したことによりゼロ分散波長が短波長側にシフトし,伝送帯域が拡大しただけでなく,ラマン増幅の適用を考慮した場合でも励起波長帯域での四光波混合(Four Wave Mixing; FWM)発生を抑制することができるようになった。

また,試作したNZ-DSFの特性での伝送シミュレーターによる10Gb/s伝送のパフォーマンスを確認し,更なる高速伝送も考慮した分散補償器の適用の検討も行った。


ここからサブカテゴリメニュー

サブカテゴリメニューここまで


ページの終わり