ページの始まり



古河電工時報 第131号

世界最高電圧の275kV-3kA高温超電導ケーブルの開発

八木正史、向山晋一、三觜隆治、滕軍、劉勁、Liu Jin、鈴木光男、平田平雄、野村朋哉、中山 亮、前里 昇、大熊 武、丸山 修

概要

高まる電力需給に応えて,古河電工では,独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)殿の委託試験として,2008年より275kV-3 kA高温超電導ケーブルの開発を実施してきた。このケーブルは1回線で1.5GWという火力発電所1基分の大容量を低損失で送電することが出来,将来の電力基幹線としての実用化が期待されている。

設計に必要な基礎技術は,交流損失試験,耐電圧試験,部分放電試験,過電流試験などで蓄積され,その技術に基づいて,長期課通電試験用の30m超電導ケーブルは設計・製造された。ケーブル絶縁厚については,試験で得た絶縁体の設計ストレスとIEC,JEC,他の超電導ケーブル試験に基づいた試験条件で決定した。また,63kA-0.6sec の過電流に耐え,送電に伴う誘電損失と交流損失が275kV-3kA で0.8W/m 以下になるように設計した。これらの設計に基づいて,30m超電導ケーブルを作製し,作製時の製造余長について特性を評価し,設計どおりの性能を確認した。古河電工では,30m超電導ケーブルと終端接続部,中間接続部を瀋陽古河電纜で建設し,200KV-1ヶ月の長期課通電試験を無事終了した。


ここからサブカテゴリメニュー

サブカテゴリメニューここまで


ページの終わり