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古河電工時報 第116号

ポリフェニレンサルファイド樹脂のマイクロ発泡挙動

伊藤正康, 株本昭

概要

マイクロセルラープラスチックは,10μm以下の気泡径を多数有する発泡体を指す。この発泡体は,機械特性(特に衝撃吸収特性)を損ねることなく軽量化,材料の低減が図れることが特長の1つである。最近では,新たな特性である優れた光学特性(反射特性)や音響特性を生かし,広告用電飾看板や,スピーカ用振動板など,新たな商品へ展開されている。マイクロセルラープラスチックを作製するMCPプロセスは,1981年に米国のMIT機械工学科Suh教授らによって提案されたもので,各種プラスチック材料で検討が行われてきた。本研究では,しゅう動性・耐熱性に優れたポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)のマイクロ発泡挙動を検討した。PPSのマイクロ発泡挙動は,PPSの結晶化と関連し,特に結晶化温度以上で発泡させた場合,10μm程度の気泡とサブミクロンオーダの微細気泡が混在する発泡体となることが分かった。軽量,高耐熱性が要求される用途への展開が期待される。


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