コヒーレント通信とは、広く使われてきた光の強弱による信号伝達方法にたいして、光の位相や偏波をつかって信号を送る方法です。信号劣化が少ないため長距離へ大容量の信号を送るのに適しています。現在つかわれている光デジタルコヒーレント通信は、これにデジタル信号処理技術を組み合わせることで2010年ごろから実用化されています。
IMDD: 強度変調(Intensity modulation)・直接検波(Direct detection)
光のOn/Offで01を送る → 安価だが長距離・高データレートでは信号劣化
デジタルコヒーレント通信
光の位相で01を送る → 長距離・高データレートでも信号劣化が少ないが高価
構成図
送信側は信号光源として波長可変レーザを搭載したITLA(Integrable Tunable Laser Assembly)から出た光に変調器で信号を乗せたのちにファイバにて送信します。受信側では受信した信号光と局発光(LO: Local Oscillator)を干渉させて復調する。LOにも送信側と同様にITLAが使用されています。
レーザの線幅と光出力
コヒーレント方式では、信号光源およびLOの位相ノイズ、すなわちスペクトル線幅が重要な特性となります。線幅が広いと位相ノイズが増えて信号にノイズがのってしまいます。より高速、より長距離への通信では、より狭い線幅の半導体レーザが信号光源として必要となります。
また、より高速の変調器は光損失も大きいため、従来以上に高い光出力の信号光源が必要とされています。