ラマン増幅は誘導ラマン散乱を利用した光増幅方法で、励起光の100nm程度長い波長の光を増幅することができます。

エルビウムドープド光ファイバ増幅器(EDFA)と異なり、線路となる光ファイバ自体を増幅媒体として使用するため、光ファイバの損失によるSNRの劣化を抑えることができ、長距離伝送に適しています。

励起光源(ポンプレーザ)

信号光の波長が1550nm帯のため、励起光源として使われる半導体レーザはそれより100nmほど短い1420-1490nmが使われます。数百mW以上の高出力なファブリペロー(FP)型半導体レーザが広く用いられており、ファイバブラッググレーティング(FBG)にて波長を安定化しています。

後方励起と前方励起

励起光を光ファイバに入れる方向は、信号光と逆方向となる後方励起と信号光と同じ方向となる前方励起があります。後方励起では信号と励起光が対向するため、励起光のノイズ(出力パワーの揺らぎ)が平均化されるのに対して、前方励起では信号と同じ速度で励起光が進むため励起光のノイズが信号に影響を与えやすくなってしまいます。このため前方励起に使用する励起光源はノイズの小さいものが必要となります。このようにすでに広く実用化されている後方励起に比べ、前方励起の光源の技術的難易度は高いですが、伝送特性改善に優れラマン増幅の効果を最大限に生かすことができるため実現が望まれています。

主な製品

ファブリーペロー型レーザに外部波長安定化用にファイバ型グレーティング(FBG)を組み合わせたラマン増幅器用光源

半導体光増幅器(SOA)を内蔵したチップオンキャリア(CoC)変調器集積型半導体レーザ光源

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