半導体光増幅器を内蔵した変調器集積型半導体レーザを開発
~ 従来比2倍の50G Baud高光出力と低消費電力の両立を実現 ~

2023年3月1日

  • 変調器集積型半導体レーザ(EML)「FOL13EBxCS」を開発し、1月よりサンプル出荷を開始
  • 半導体光増幅器(SOA)を集積することで、従来比2倍の50G Baud高光出力を実現
  • 高光出力と低消費電力の両立により、5Gの実用化を支える光通信網の構築に貢献

古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区丸の内2丁目2番3号、代表取締役社長:小林敬一)は、半導体光増幅器(SOA:Semiconductor Optical Amplifier)を内蔵した50G Baud高光出力の変調器集積型半導体レーザ(EML:Electro-absorption Modulated Laser)「FOL13EBxCS」を開発し、本年1月よりサンプル出荷を開始しました。

背景

携帯電話用5G網の整備により高速・大容量化されたクラウドサービスの普及が進み、ネットワークエッジでの伝送容量増加にともない、短中距離通信の信号用光源の需要が増大しています。EMLは、信号波形と高速動作に優れ、100Gbps以上の中距離(10km~)通信用光源として広く使われており、長延化や大容量伝送への対応のために高光出力化のニーズが高まるとともに、消費電力の抑制との両立が求められています。

内容

本製品は、通常のEMLにSOAを集積することで通常のEMLと同等の消費電力で約2倍の光出力を実現しました。通常のEMLでは、レーザへの注入電流を増やすことで光出力を増加させるため、光出力に比例して消費電力も増加しますが、高効率に光出力を増加させることができるSOAを集積することで高光出力と低消費電力の両立を可能にしました。

図1 消費電力-光出力特性

本製品を100G~400Gイーサネット、次世代高速PONシステムなどに適用することで、メトロ・アクセスネットワークの長延化の実現が期待できます。
当社は、従来のロングホール/メトロ向け光源(中長距離用)だけではなく、データセンタおよびアクセス系ネットワーク用光源(本製品含む短中距離用)まで含めて、広範囲の光ネットワーク階層に対応していきます。

製品の主な仕様
項目 仕様値 単位 条件
動作温度 55

 
LD動作電流 <80

mA

 
SOA動作電流 <80

mA

 
EAMバイアス電圧 -1.5~0

V

50Gbps, NRZ

消光比 >4

dB

50Gbps, NRZ

光出力 >12

dBm

CW, EAMバイアス電圧=0V

波長

O-band、LAN-WDM対応

 

提供形態:Chip on Submount


なお、2023年3月7日~9日に米国サンディエゴで開催される「OFC 2023」で本製品を展示(OFS Fitel, LLCブース内・ブース番号3229)します。

古河電工グループのSDGsへの取り組み

当社グループは、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に置き、2030年をターゲットとした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定して、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めています。ビジョン2030の達成に向けて、中長期的な企業価値向上を目指すESG経営をOpen,Agile,Innovativeに推進し、SDGsの達成に貢献します。

ニュースリリースに記載されている情報は、発表日現在のものです。仕様、価格、サービス内容などの情報は予告無しに変更される場合があります。あらかじめご了承ください。