準ミリ波レーダで交通量を計測するトラフィックカウンタを発売
~ 埋設不要で施工・保守が容易で雪・雨・霧の過酷な環境下でも安定した検知性能 ~

2023年8月21日

  • 先進運転支援システムで量産している周辺監視レーダの技術を応用し、トラフィックカウンタを開発・発売
  • 昼・夜・逆光など日射量の影響を受けず、雪・雨・霧の影響も受けにくい、安定した検知性能を実現
  • 知多半島道路にて導入

古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区大手町2丁目6番4号、代表取締役社長:森平英也)は自動車の先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driver Assistance System、(注1))用として量産している周辺監視レーダの技術を応用して、交通量を計測するためのトラフィックカウンタを開発し、販売開始しました。

背景

交通量計測データは、渋滞情報の取得、新設道路の計画や、道路の開通効果(交通量や速度の変化)の検証など、多岐に渡り利用されています。最近では、災害等の突発的な事象が及ぼす、交通への影響のシミュレーションにも活用されています。現在、国内高速道路では道路下に埋設するループコイル式のトラフィックカウンタが広く利用されていますが、2021年7月には準ミリ波を含むマイクロ波方式も仕様として認められました。

内容

当社は2018年に開発した高速道路への逆走車の進入を検知する「逆走車検知システム」の技術を活用し、この度新たに特定小電力無線局として認可されている当社製周辺監視レーダを使用したトラフィックカウンタを開発・発売しました。
なお、本トラフィックカウンタは2019年に『愛知アクセラレートフィールド』(注2)を活用して実証実験を行ない、知多半島道路において導入されています。

特長1 移動体の位置・速度・方向・大きさを検知

移動体の位置と移動方向、移動速度を一定時間検出追跡することで通行車両台数を計測します。このためノイズや飛来物などの誤検知要因の影響を受けにくい設計になっています。また、移動体の大きさも検出でき、大型車・小型車の判別も可能です。

特長2 様々な屋外環境下での安定した検知

当社製トラフィックカウンタは電波によって車両を検知するため、昼・夜・逆光など時間や場所による日射量の変化の影響を受けません。また、準ミリ波の特長として雪・雨・霧など天候の影響を受けにくいため、様々な屋外環境下で安定した検知が期待できます。

特長3 容易な設置

当社製トラフィックカウンタは、道路脇のポール等に取り付けることができますので、メンテナンス時の車線規制や落下時のリスクが軽減できます。また、道路上に設置するものは一切ありませんので、設置時の開削工事が従来品と比べて必要ないため、路面を傷めることもありません。

システム構成イメージ

製品仕様

製品名 交通量計測設備
レーダ検知部 外形寸法 207mm×230mm×87mm
質量 7kg以下
動作温度 -20℃~+40℃
判定装置部 外形寸法 580mm×647mm×240mm
質量 45kg以下
動作温度 -20℃~+40℃

(注 1)自動車に搭載されたレーダ・カメラ・各種センサを利用し、自動車を安全に運転できるよう支援する車載システムの総称。

(注 2)愛知道路コンセッション株式会社が中心となって抽出した社会インフラの運営・維持管理上の課題に対し、これを解決する新技術のマッチングを行い、供用環境にある実際のインフラ施設を活用して技術実証を行いながら課題の解決を図る取り組み。

関連情報

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古河電工グループのSDGsへの取り組み

当社グループは、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に置き、2030年をターゲットとした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定して、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めています。ビジョン2030の達成に向けて、中長期的な企業価値向上を目指すESG経営をOpen,Agile,Innovativeに推進し、SDGsの達成に貢献します。

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