結露滴下抑制シート「Drigrip™」を開発
~ 独自開発の吸水性素材の保水・蒸散効果により結露の滴下を抑制 ~

2023年11月30日

  • 独自の発泡技術と吸水性素材を組み合わせて、結露滴下抑制シート「Drigrip™」を開発
  • 吸水性素材の保水・蒸散効果と発泡体の断熱性により、結露の発生と滴下を抑制
  • 断熱材の厚肉化が不要となり、施工スペースが限られ結露対策が取りにくい箇所にも対応

古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区大手町2丁目6番4号、代表取締役社長:森平英也)と古河樹脂加工株式会社(本社:千葉県千葉市美浜区新港195番地、代表取締役社長:久保田哲治)は、結露被害に対応するため、当社グループの発泡技術と独自開発の吸水性素材を組み合わせた結露滴下抑制シート「Drigrip™」を開発しました。

背景

温暖化の影響により夏場や梅雨の時期に発生する夏型結露が増加しており、建築物や住宅設備における結露被害が深刻化しています。結露は水蒸気を多く含む暖かい空気が急激に冷やされ、飽和水蒸気量を超えることで発生します。従来は外部との温度差を小さくするために断熱材を厚肉化することで対策していましたが、施工スペースの確保や作業性の観点で困難な場合があります。近年では、建材・住宅設備・家電分野といった多くのお客様から、結露対策に関するお問い合わせをいただく機会が増えており、新製品の開発に着手しました。

内容

Drigrip™は断熱により結露を抑えるだけでなく、結露を滴下させないことをコンセプトに開発しています。当社が長年にわたり培ってきた発泡技術と吸水性素材を組み合わせることで、断熱材の表面に発生した結露を保水し、滴下を抑制します(図1)。これにより、従来の厚みのままで結露による損害やトラブルを抑えられます。

図1 本製品の機能構成

検証実験

本製品の性能を評価するために、25℃(湿度50~80%)の環境下で5℃の冷媒を流した筐体を結露させて、滴下した水滴量を測定する検証実験を行いました(図2)。ステンレス製ダクトをむき出しで設置した条件(A)と、同ダクト下面に本製品(4mm厚)を設置した条件(B)の2パターンで効果を検証しました。また、様々な環境下での昼夜における湿度の変動を模擬するために、湿度を50~80%に設定し効果を検証しました(図3)。

図2 評価装置

図3 評価条件

検証結果

検証の結果、ダクトをむき出しで設置した条件(A)においては、開始5時間(湿度50%)頃より結露による滴下が確認でき、湿度上昇と共に滴下量が増える傾向であることを確認しました(図4)。一方で、ダクトの下面に本製品を設置した条件(B)においては、ほとんど滴下は確認できませんでした(図5)。また、実験開始前後で吸水性素材の状態を比較したところ、開始時には乾燥していた吸水性素材(図6)が保水した状態で膨潤している(図7)ことを確認しました。

当社は本製品を通じて施工現場の課題解決に貢献するとともに、今後もより高性能な製品の開発に取り組み、お客様のニーズに応えてまいります。

『Drigrip』は古河電気工業株式会社が商標登録出願中です。


古河電工グループのSDGsへの取り組み

当社グループは、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に置き、2030年をターゲットとした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定して、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めています。ビジョン2030の達成に向けて、中長期的な企業価値向上を目指すESG経営をOpen,Agile,Innovativeに推進し、SDGsの達成に貢献します。

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