古河電工のDX戦略

DX推進の中期計画

25年度に向けて・・・『DX導入加速等によるモノづくり力向上』

ものづくりDXに注力し、効果の大きい施策の起案・計画とAI/IoTソリューション構築に取り組んでいます

古河電工では、DXをトップダウンで取り組む経営戦略として中期計画で位置付け、ビジョン・方針を作成して全社で共有しています。デジタルトランスフォーメーション&イノベーションセンター(DXIC)は、全社DXの推進組織であり、DX起案、AI/IoTソリューション構築、 ICT基盤(業務アプリ、インフラ・ガバナンス)に取り組んでいます。2025中期計画期間は効果の大きいものづくりDX施策を優先的に起案・計画して、効果創出を加速していきます。

データ・環境を整える

基幹システムとしてはSAPを導入し、工場系レガシーシステム更新やIoTによるデータ取得拡大を進める中で、データの質・量ともに充実しつつあります。とは言え、日々のデータ活用や拠点や組織を跨った共有はまだ十分とはいえません。

データの蓄積、分析を全社で一元的に管理する「データ統合基盤」を設置し、データ集約と活用の浸透を図っています。

活用シーンを拡大する

環境変化に即応できるデータドリブンの事業経営力向上を狙い、各階層のデジタル化を進め、全体では経営判断の高速化を実現します。

具体的にはSFA/MES/生産計画のシステム整備に同期して、経営ダッシュボードを充実させていきます。活用シーン拡大を加速するために、需要が多い重要なソリューションはデータの収集・蓄積・加工・活用をパッケージ化して「デジタルソリューションの型」として整備し、事業部門へのクイックなデリバリーを実現していきます。

データ活用スキルを育成、当たり前化する

AIの発展・業務利用の加速の潮流に遅れることのないよう、専門部隊の能力を強化するとともに全社のデジタルユーザリテラシーを上げる取組みを強化し、AI/データ活用を体現する育成も加速します(全社スタッフの底上げ)。

  • プラットフォームの整備
  • 分析ツールの教育
  • 対話AIの活用

体制

古河電工グループのDX推進の横串機能を備えた体制を構築してものづくりDXに注力し、効果の大きい施策の起案・計画とAI/IoTソリューション構築に取り組んでいます。

古河電工グループのDX推進の中核として、デジタル技術を強化すると共に、
それらを活用して事業が強くなる変革を生み出すことで、当社の目指すSDGs達成と社会課題解決に貢献します。

研究開発
  • マテリアルズ・インフォ間ティックス(MI)で材料を短期間で開発
製造(スマートファクトリー)
  • 工場マネジメント高度化・フィードバックの加速
  • 自動化の推進(AI画像検査・技術伝承)
  • 先読み設備保全
高速経営
  • 経営ダッシュボード
  • マネジメントレポート定型業務の半自動化
DX推進 ものづくりDXの起案・実施サポート
ソリューション・技術開発 AI/IoTソリューションの構築・提供
インフラ・基板 ITインフラの標準化・機能拡充、ガバナンス整備・強化
デジタル人材育成 ITリテラシー向上、デジタル人座育成・開発
2020年4月
「デジタルイノベーションセンター(略称DIC)」を研究開発本部に設立。
AI/IoTをものづくり、コトづくりに積極的に適用し、活用事例を増やす。
2022年4月
戦略本部に移管、DX起案・教育を強化
2023年4月
ICT戦略企画部と統合、組織名をデジタルトランスフォーメーション&イノベーションセンター(略称DXIC)に変更。
AI/IoTソリューション、ものづくりDXの企画・起案、電工GrのITインフラ基盤・基幹システム・業務システムの企画・実装・運用を一体化。

取り組み

DX推進

  1. 1.
    事業への貢献度が高い施策を起案し計画化する活動
  2. 2.
    各統括/事業部門側のニーズに応じて、DX企画・ソリューション構築を支援、及び施策実施をサポート

ソリューション・技術開発

優位技術

技術の特徴
  • 検査コスト削減・品質向上を実現する
    画像解析・データ活用
お客様目線での嬉しさ
  • 社内向け基盤技術構築
  • 製品の品質向上、コスト低減、安定生産
  • 製品の開発期間の短縮
他社との比較、もしくは従来技術との比較
  • AIソリューションをアジャイルに社内提供
  • 全社共通的なソリューションを「型」として確立
  • 俯瞰的に案件をサーベイ、効果の高い案件を優先し成果創出

用途、ターゲット分野

  • AIによる画像検査の効率化
  • プロセスデータ・実験データの分析基盤を確立
      → IoTを活用した製造データのリアルタイム見える化、素早いフィードバックによる品質・歩留まり改善
        → 新材料の特性予測AIモデルを作成、設計効率を 20 ~ 50%アップ
  • 25中計では社内のものづくりDXに注力。ものづくりDXを通じてAIソリューションの「型」を構築。将来的には新 価値創造に向けてソリューションを提供

主な開発テーマ

画像検査ソリューション AIを利用して目視検査を自動化、効率化

導入によりミスが減少、人材はより高付加価値業務へシフト

データ活用した要因分析 プロセスデータから特性を予測するモデルを開発し、狙った特性のモノを作りこむ

素早く要因を分析して工程変動へアクション

データ分析基盤の構築とマテリアルズインフォマティックス AIモデル活用を前提として、データを統合した分析基盤を構築

新材料開発期間の大幅短縮へ

  • 様々な材料・製品の情報を統合した特性予測AIモデルを作成
  • 新製品の要求仕様を満たす材料レシピをAIモデルから出力
  • 迅速な開発・製品化が可能となる(効率20~50%UP)

インフラ・基盤

  • ITインフラ領域の機能拡充:グループ各社セキュリティ目標達成支援およびNW・コミュニケーション基盤機能を強化
  • グループITガバナンス整備:グループ全体のガバナンスを強化し、IT最適運営に向けて投資の適正化

デジタル人材育成

古河電工グループのデジタル人材の育成に取り組んでいます。

  1. 全ITリテラシーレベルの引上げ
  2. 知識/活用レベルの向上
  3. 事業部門側でソリューションを引き継ぐ人材の育成