Zoltán Papp, Zoltán Várallyay, Ryuichi Sugizaki, Shigehiro Takasaka, Norihiro Ohishi, Junji Yoshida, Daichi Ogata, Shunya Hayashi, Toshio Kimura

概要

励起光源として従来のラマンポンプに加えて広いスペクトルを持つインコヒーレントポンプ(iPUMP)を用いるラマン増幅特性を高精度に計算するシミュレーション技術を開発した。このシミュレーション技術は,従来の狭スペクトル幅を持つFBG付きラマンポンプによる双方向の励起方式とiPUMPによる前方励起方式を取り入れたラマン増幅特性を計算する。光ファイバの伝搬損失や有効断面積の波長依存性や信号自体と信号間のラマン利得の周波数依存性を組み込むことで,波長分割多重(WDM)信号光の伝搬方向におけるパワー変動の正確な解析とラマン利得スペクトルを平坦にする励起光源の構成の最適化が可能となった。後方励起方式の計算においては固有の収束問題があるが,反復最適化法を採用し計算誤差が十分に小さくなることを確認した。,
実測値と計算値の一致からこのシミュレーション技術の精度が実証され,前方励起方式と励起光源としてiPUMPを採用する光ファイバ通信システムに適用するラマン増幅の設計と最適化を行えることを確認した。

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