FTTHシステム設計
放送系、通信系サービスの伝送距離は主に、光送受信器の性能などから要求されるシステム性能を満たす許容伝送損失(ロスバジェット)によって決定されます。
通信サービスの分岐数に応じたロスを計算した例を示します。この例では、センター、親クロージャ、子クロージャにそれぞれ2分岐または8分岐のスプリッターを設置して、それぞれ14kmと5kmの光ファイバで構築した例です。
一般的なPONのロスバジェットは29dB以下なので、ロスバジェット以内になるように光ファイバの距離または分岐数を管理する必要があります。また、光ファイバのロスは光ファイバの波長や性能によって異なります。
通信系ロス分岐
光ファイバロスを0.35dB/kmで計算した例
分岐と距離 | センタSP | 親SP | 子SP | ケーブル | TOTAL | 残 | 許容 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ロス | ロス | ロス | ロス | ロス | ロス | ロス | |
64分岐 14km |
なし | 8分岐 | 8分岐 | 14km | |||
センタ分岐なし | 0 | 10.5 | 10.5 | 4.9 | 25.9 | 3.1 | 29 |
128分岐 5km |
2分岐 | 8分岐 | 8分岐 | 5km | |||
センタ2分岐 | 4 | 10.5 | 10.5 | 1.75 | 26.75 | 2.25 | 29 |
放送サービスはV-ONUの入力レベル範囲によってロスを管理します。
分岐数に応じたロスを計算した例を示します。ここでは、センター、親クロージャ、子クロージャにそれぞれ4分岐または8分岐のスプリッターを設置して、それぞれ14kmと5kmの光ファイバで構築した例です。通信と放送の分岐数は異なる設計にできます。また、光ファイバのロスは光ファイバの波長や性能によって異なります。
放送系ロス分岐
光ファイバロスを0.35dB/kmで計算した例
分岐と距離 | 光AMP | センタSP | 親SP | 子SP | ケーブル | TOTAL | VONU |
---|---|---|---|---|---|---|---|
出力 | ロス | ロス | ロス | ロス | ロス | 入力 | |
256分岐 14km |
4分岐 | 8分岐 | 8分岐 | 14km | |||
センタ分岐 | 23.5 | 7 | 10.5 | 10.5 | 4.9 | 32.9 | -9.4 |
512分岐 5km |
8分岐 | 8分岐 | 8分岐 | 5km | |||
センタ8分岐 | 23.5 | 10.5 | 10.5 | 10.5 | 1.75 | 33.25 | -9.75 |