上りのタイミングを調整(DBA)

PONの上り信号は、前回説明したように接続した端末数で時間を分割して順番に光信号を発光してお互いのONUからの光信号がぶつからないように(輻輳しないように)して信号伝送しています。しかし分割する時間を完全に平等に分配すると、転送できるデータの量が大量の時も少量の時も同じ時間が割り当てられるため効率が悪くなってしまいます。そこで、実際には転送するデータの量に応じて割り当てる時間をダイナミックに変更して割り当てています。大量のデータ転送時には長い時間を少量のデータ転送時には短い時間を割り当てることで動的に帯域を変えています。このような動的に帯域を割り当てるコントロールをDBA(=Dynamic Bandwidth Allocation)と呼びます。

大量の荷物(=大きいデータ)を運ぶときには大きいトラックを少量の荷物(=小さいデータ)を運ぶときには小さいトラックを用意するのね。

EPONの規格はIEEEという標準化団体で規格化されています。基本的な運用(=Operation)、管理(=Administration)、保守(=Maintenance)の条件が規定されています。このような要素をOAMと呼んでいます。

しかしながら、このDBAは通信のパフォーマンスに影響する重要な機能でありながらIEEEの規格では標準化がされていません。このDBAの機能は各メーカーのノウハウになっています。ちなみにこの帯域を当分に割り当てることをFBA(=Fixed Bandwidth Allocation)と言います。

DBAは、通信のパフォーマンスに影響するの。
だけど、標準化はしていないのね。