UVテープとは?

UVテープは半導体プロセスで使用される粘着テープです。主な用途は、バックグラインディング工程における半導体ウエハの表面保護、及び、ダイシング工程における半導体ウエハやパッケージ基板のフレームへの固定です。また、セラミックス、ガラス、サファイヤなど様々な材質のワークの保護や固定にも使用されています。

UV照射前後で粘着力が変化。UV照射後は粘着力が弱くなる。

UV硬化反応の概要

UVテープに使用されている粘着剤は、一般的に以下の材料で構成されています。

UV照射前の粘着剤層の状態

ベースポリマーは網目構造を有する高分子です。一方、オリゴマーは流動性を持ちベースポリマーの網目の中に混合した状態になっています。この状態において粘着剤層は柔軟であり、被着体表面に容易に馴染むことができます。これによりUVテープの粘着剤層は、UV照射前に強い粘着力を有します。

UV照射後の粘着剤層の状態

UV照射によってオリゴマー間で重合反応が起こり、新しい網目構造が形成されます。その結果、粘着剤層は二重の網目構造となって硬化し、粘着力が低下します。

UV照射前とUV照射後の粘着剤層の状態の変化を示す模式図

UVランプの種類と特徴

UVテープに適したUV光の波長は、一般的に250~400nmの範囲ですが、用いるUVランプによって放射するUV光の波長領域が異なります。

メタルハライドランプ(推奨)

メタルハライドランプは、250~450nmの範囲で連続した紫外線を放射するランプです。

主な発光波長は365nmですが、それ以外の波長も多くでています。高圧水銀灯よりも発光波長が多いので、紫外線硬化反応に有利です。但し、高照度であるため、テープが熱の影響を受けることがあります。

高圧水銀灯(推奨)

365nmを主波長として254nm、303nm、405nm、436nm等の波長も効率良く放射するランプです。

ブラックライト

360nmのところにピーク波長があります。蛍光管の色が白いタイプと青いタイプとがあり、青いタイプの方が近紫外線である360nmを集中的に放射します。

蛍光灯であるため照度は低く、メタルハライドに対して約1/10~1/5です。

UVランプの種類による波長領域の違い

最適なUV照射条件は、どのように考えたら良いか?

最適なUV照射条件は、用いるテープやUVランプの種類、およびウエハの表面状態等によって異なります。

弊社のUVテープの場合、技術資料に推奨UV照射量を記載してありますので、これをご参考に最適照射条件をご検討下さい。

UV照射量は積算光量として求められる値で、次式によって算出されます。

積算光量(mJ/cm2)=照度(mW/cm2)× 照射時間(sec.)

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