新卒採用ページはこちら

夢に挑め。

instagram youtube linked in twitter

CHALLENGE
EPISODE

カーボンニュートラルの実現に向けて、自動車業界では搭載される部品の軽量化へのニーズが高まっている。そんな中、古河電工グループの古河ASでは、配線部品であるワイヤハーネスのアルミ化が進められている。自社開発であるα端子®を皮切りにさらなるアルミ化に向け邁進しているのは、新モビリティ社会推進の夢に挑む、仲間たちだった。

自動車部品・電池事業

ALUMINUM
WIRE HARNESS
アルミワイヤハーネス
ワイヤハーネスとは、自動車内の電気供給や通信のための電線を束ねた配線部品のこと。もともと電線は銅で作られていたが、軽量化のためにアルミを使用して作ったものをアルミワイヤハーネスと呼ぶ。古河ASでは独自の技術を用いて、アルミ電線用防食端子であるα端子®を開発。数々の自動車に採用されている。

PROFILE

外池 翔
古河AS株式会社 第2技術本部
EC2部/2009年入社
α端子®の開発メンバーの一人。ワイヤハーネスを軽量化するための技術開発から製品化までを担当。
村上 弘国
古河AS株式会社 第2技術本部
EC2部/2015年入社
α端子®のラインアップ拡充のため、新しい品種の開発から改善までを対応。
井上 明
古河AS株式会社 第1技術本部
電装システム1部/2017年入社
ワイヤハーネスの回路設計を担当。カーメーカに設計参画としてジョイン。
三浦 俊亮
古河AS株式会社 第1技術本部
PX部/2018年入社
カーメーカに対し先行提案活動、ワイヤハーネスの受注活動を担当。

※所属は2023年1月現在

INTERVIEW

「古河電工グループの総力戦で
独自製品を開発」
外池氏:アルミワイヤハーネスにおける当社の強みは、α端子®です。α端子®とはアルミ電線用の端子で、古河ASがつけた製品名。もともとワイヤハーネスは銅電線のみで構成されていましたが、銅は重いため、アルミ電線への置き換えによる軽量化を模索していました。一気にすべての電線をアルミにすることは難しいため徐々にアルミ電線の率を上げていくことを目標とすることに。その中で、ネックはアルミ電線が銅電線に比べて接続部で腐食しやすいという科学的特性。銅電線とアルミ電線を同じ電線かのように使用できる、防食という技術の開発が急がれました。そして生まれたのが、電線を接続し防食機能も果たすα端子®です。
一番大変だったのは、生産工程での溶接。高速プレスといって毎分数百個というスピードで端子の生産を行うのですが、それと同じスピードの溶接が必要でした。そこで当時、古河電工の新しい溶接技術であったファイバレーザ溶接を活用することに。小さなサイズの端子を精密に、かつ高速で溶接することができました。
α端子®の開発プロジェクトには金属の研究所、自動車技術部門、生産技術部門など、各分野のスペシャリストが集まっていて、非常に相談しやすい環境だったことが成功の要因と感じています。開発を始めたのは2012年。2015年の車に初めて搭載され、現在もラインアップ拡充を続けています。徐々にではありますが、カーメーカのなかでもα端子®という名称で呼んでいただける機会も増え、うれしく思います。
「誰かのうれしさに
つながる仕事か?」
村上氏:私はα端子®のラインアップ拡充および改善を担当しています。これまでで一番苦労したのは、世界中の過酷な環境で使用される車種に搭載するα端子®の開発。使用される環境を想定した、厳しいスペックが要求されていました。特に、α端子®の肝である電線と端子の接続部の形状は何パターンも試作・検証を繰り返しました。そういった試行錯誤の末、なんとか最適な形状を作り上げることに成功。お客様の厳しい要求に応えるα端子®の開発に成功しました。いろいろと苦労もありますが、開発に携わった製品が搭載されている車を路上で見かけると、とても誇らしいですね。
普段の業務で大切にしていることは、誰かのうれしさにつながる仕事をすること。例えば資料作成においても、誰に向けた資料か? 読む人が誤解なく理解できるか? など、必ず自身の仕事の先にいる人のことを意識するようにしています。α端子®についても、ラインアップが拡充することでより多くの車種や回路にアルミ電線が使用できるようになることから、軽量化・コストダウンというカーメーカのうれしさ、そして燃費・電費向上という消費者のうれしさにつながるといいなと想像し、業務に取り組んでいます。
「社内外の人の声を
一番のヒントに」
井上氏:カーメーカのチームにワイヤハーネスの設計担当として参画しています。カーメーカでは近年、車の搭載機器の増加にともなう重量増加が課題となっています。搭載部品であるワイヤハーネスはそれに応えるべく、多くの電線をアルミにすることで、軽量化を目指しています。難しいのは、重量とコストのバランス。軽さだけを追求することが車やお客様のためになるわけではありません。限りなくアルミ化率を上げて軽量化を求めるのか、コストを下げるための検討をするのか。どんな車にしたいかのイメージを丁寧にヒアリングすることで、その車に合った設計をしていきます。
私は業務上、人との接点が多くあります。お客様から要望を聞くのはもちろんのこと、お客様と社内をつなげる役目でもあるので、社内の知識や事情を常に把握しておくことが必要です。また、先輩からのアドバイスも積極的に聞き、さらに良い方法はないかという視点を持つことで、常に改善を意識していますね。
「聞いて、 聞いて、 それから伝える。
古河電工グループの技術を
さらに広めていきたい」
三浦氏:私はカーメーカに対して、アルミ製品の良さをプレゼンし提案する受注活動をしています。ハーネスに使われるアルミは、従来の銅よりも強度や耐久性が不安なイメージを持たれるのが現状。その不安を取り除くべく、お客様に客観的なデータを提示しています。例えば、実際に車に取り付けられる状況を想定し、耐久評価をすることで、問題がないことを一つ一つお伝えするなどです。
個人的に成長したなと感じるのは、コミュニケーション能力。その中でも特に聞く力です。同じことを言われても、人によって意図はさまざま。会話の中で自分は何を求められているかを考えながら聞く癖がつきました。その上で、私たちのアルミ技術のメリットを理解していただくための説明ができると思っています。当初、アルミ対応の部位は限られていましたが、現在は少しずつ拡大しています。提案の際、お客様に「さすが古河さん」と言われたときは、アルミ技術の認知が広がっている実感があり、非常にうれしかったです。

NEXT STAGE チャレンジの先へ

カーボンニュートラルをかなえる
モビリティ社会へ。

ワイヤハーネスのアルミ化率上昇に貢献し続ける古河AS。ワイヤハーネスの材料や部品、製品の製造工程では、水力発電、太陽光発電などの再生可能エネルギーを使用している。アルミ化による車の燃費向上というメリットだけではなく、製品のバリューチェーン全体でのCO2排出削減により、モビリティ社会全体のCO2削減を目指しているという。古河ASの挑戦は、これからも続く。

※「α端子®」は、古河電気工業株式会社および古河AS株式会社の登録商標です。

夢に挑め。TOPページへ