
第4回スマホ編
今や私たちの日常生活に欠かせないスマートフォン(スマホ)。電話としての通話機能だけでなく、メールやインターネット、SNS や動画再生、カメラでの撮影など、いつでもどこでも使える便利な存在として活用されるシーンが広がってきています。日本では、スマホを保有している世帯の割合が90% を超え、スマホを含むモバイル端末全体の保有率は97% を超えています(※総務省調べ、2023年実績)。
年々、インターネットの大容量化と高速化が進み、また、電子機器がますます多機能になっていくなかで、スマホにも、高機能かつ手のひらの上で使えるコンパクトさと操作のしやすさが求められています。
古河電工グループは、日々進化していくスマホを、さまざまな素材・部品のチカラで支え、皆さんの「便利な生活」にお役立ちしています。



その他のお役立ち
こんなところでもお役立ち!半導体製造用テープ
基板には、「スマホの頭脳」とも呼べる、色々な機能のはたらきを指示したり、情報を処理するための半導体チップがたくさん搭載されています。
この小さな半導体チップを製造する工程では、BGテープ、DCテープと呼ばれるATテープ(Advanced Technology Tape)が活躍しています。
強い粘着力を持つのに、UV(紫外線)を照射すると粘着力がなくなる不思議なテープで、半導体チップを製造する工程でお役立ちしています。

BGテープ (Back Grinding tape)
半導体の元となる円盤状の板(ウェハ)に回路が書き込まれ、その裏側の面を研削して、決められた薄さまで削ります。研削するときに、回路が書き込まれている方の面にこのBGテープを貼り、ウエハを固定しつつ、削るときの衝撃から回路を保護する役割をしています。
DCテープ (Dicing tape)
ウェハにDCテープを貼り、固定された状態で、実際の大きさにカット(ダイシング)されます。固定されているので細かな作業でもチップが飛び散ることがありません。
その後、UVを照射すると粘着力がなくなり、チップを簡単にピックアップすることができます。
この特殊なテープのはたらきで、半導体チップの製造工程の効率化と時間短縮を実現しています。

あらゆるところでお役立ち!コネクタの「つなぐ」役割
ディスプレイやアンテナ、カメラ、スピーカーなど、さまざまな部品と基板をつないで電気や信号を伝えるために、スマホのあちこちで「コネクタ」がお役立ちしています。
コネクタは一つひとつがとても小さく、そして、スマホの機種や部品に合わせて複雑な形に作られています。
そのコネクタには、銅へ他の金属を混ぜ合わせることで強さと曲げやすさをあわせ持った、高性能な銅合金が使われています。
また、そのコネクタにつながれたFPCケーブル(注)には電解銅箔が使われていて、その薄さは50ミクロン未満です。
皆さんの薄くて軽いスマホにはこのような製品や技術がお役立ちしています!
- (注)
FPC(Flexible Printed Circuit)ケーブル: フィルム状の絶縁体(樹脂)に銅箔を貼り付けた、薄くて柔らかいケーブル



携帯電話からスマホへの移り変わり

ここでもお役立ち!
アンテナ用合金
ガラケーなどに付属されているアンテナには、ニッケルとチタンを混ぜた合金(NT合金)が使われています。弾性に優れた性質で、曲げても折れにくく、強くてしなやかな合金です。

タクトスイッチ
ドーム型のボタンを押したときに凹むことで通電し、スイッチ機能を発揮。
ボタンには繰り返し押しても耐えられるステンレス素材の薄い板が使われています。ステンレスは電気を通しにくいため、内側に銀めっきをして通電しやすくしています。ステンレスは、めっきしづらい性質ですが、ここで古河電工グループのめっき加工技術が活躍!薄く銀めっきをして、ボタンを押したときに電気が流れるのにお役立ち
しています。
また、携帯電話やスマホだけでなく、さまざまな電化製品のスイッチにも使われています。
