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2022年1月11日
チームで育てるAI技術は、
未来への期待が詰まっている。
デジタルイノベーションセンター AIソリューション部(取材時)
山﨑 美来
デジタル技術への傾倒
AI(Artificial Intelligence;人工知能)は、今もっとも注目を集めている技術分野の一つだと思います。従来「人」が判断するしかなったことを機械が自動的に判断できるようになれば、技術の進歩や私たちの生活の向上に役立てることができる。私は前職でAIによる画像処理の研究に従事しながらそんな気持ちの昂りを感じていました。
「人」がときどき間違えるように「AI」も完璧ではありません。デジタルにも得意分野もあれば不得意分野もあり、そんなところに人間臭さを感じます。
進化するAI
「AI」が近年注目を集めるようになった背景に学習レベルの進化があります。高度な経験則を活用した「第一世代」、統計的に最適解を見つける「第二世代」を経て、認識や感情までも脳科学に基づいてモデル化する「第三世代」は、コンピュータ自身が膨大なデータからルールや相関関係を導き出せるようになってきました。この「ディープラーニング」という第三世代の技術がAIを身近にしてくれたと思います。
私は古河電工が未来の可能性に挑むためのデジタルイノベーションセンターを創ったと聞き、転職することに決めました。ここでの研究は仲間とのコミュニケーションを通じて得たひらめきがアイデアとなり、技術としてシェイピングされていく過程がとても楽しいです。
AIは人が育てる
私は学生時代から一人で何かをすることよりも、周りのみんなと協力して一つのものを作り上げることが好きでした。高校時代には文化祭や演劇会といった行事に青春を捧げていました。
現在、私は家畜のわずかな体調の変化を自動検出する仕組み作りに取り組んでいます。飼い主ならきっと一目で見抜いてしまうと思います。しかしAIがすぐに飼い主のように見抜けるようになるわけではなく、AIに「学習」させる必要があり、その見抜く目を私たちのチームで育てているという感覚といえば、何となくやっていることが伝わるでしょうか。当然私たちもチーム全員で飼い主のまなざしや気持ちを持つ必要があり、そういう点でも自分の性格に合った仕事ができていると感じています。
縁の下で支える仕事のやりがい
データ分析は、大きな目的を達成するために縁の下で支える役割を担うことが多いように思います。データの収集、解析を地道に行い、アナログ情報の中に埋もれている目的のマーカを見つけ出すロジックを構築する。このアナログの視点をデジタル化する今の仕事のやりがいや楽しさ、そして将来の可能性に技術者として他に代えがたい魅力を感じています。職場で指導してくださる上長や諸先輩に鍛えられながら、今は自分の基礎をしっかりと築いていきたいと思っています。