古河電気工業株式会社と古河電池株式会社は、グローバルに拡大する再生可能エネルギーを無駄なく活用するキーデバイスとして、長年、実用化困難とされていた次世代型蓄電池「バイポーラ型鉛蓄電池」を共同開発しています。本製品の開発により、地球温暖化がもたらすとされる自然災害の多発、化石燃料の枯渇などの社会課題の解決に貢献していきます。

我々のミッション

太陽光発電・風力発電といった再生可能エネルギー無駄なく活用していくには、電力調整デバイスとして長周期対応のピークシフト運転に対応し、かつ、経済性を有する大規模な蓄電装置が不可欠になります。

BPプロジェクトチームでは、古河電池株式会社との共創により、バイポーラ型鉛蓄電池とバッテリー状態検知技術を融合させたこれまでにない蓄電デバイスの開発に取り組み、電力会社様、再生可能エネルギー関連の事業者様、EPC事業者様等のニーズに応えます。

バイポーラ型鉛蓄電池の開発

バイポーラ型鉛蓄電池は、1枚の電極基板の表と裏にそれぞれ正極と負極を有するシンプルな構造が特徴です。そのため、従来の鉛蓄電池と比較して材料削減が可能であり、また、体積当たりの容量の向上により重量エネルギー密度は従来の鉛蓄電池に対して改善が期待できます。さらに、電極基板の積層化により構成部材の削減が可能となりコスト競争力改善も期待できます。

鉛バッテリ状態検知アルゴリズムの開発

既に、燃料電池やニッケル水素電池などでバイポーラ構造が採用されておりますが、鉛蓄電池におきましては実現が困難と言われてきました。我々は、古河電池株式会社で培われた制御弁式鉛蓄電池の技術と、当社独自のメタル・ポリマーの素材力を活用することで、次世代型蓄電池「バイポーラ型鉛蓄電池」を共同開発しています。

バイポーラ型鉛蓄電池の外観

バッテリーマネジメント装置(BMU)の開発

バイポーラ型鉛蓄電池は、リチウムイオン電池やニッケル水素電池といった他の二次電池とは設計が大きく異なっており、特性に適した充電・放電管理を必要とします。我々は、バイポーラ型鉛蓄電池専用のバッテリーマネジメント装置(BMU:バッテリーマネジメントユニット)を開発し、バイポーラ型鉛蓄電池とセットで運用することで、バイポーラ型鉛蓄電池の電力貯蔵効率・利便性の向上をもたらします。

実証試験設備の構築

バイポーラ型鉛蓄電池を用いて、太陽光発電機器(PV)と連携した蓄電システムを構築し、運用性能を評価する実証実験を社内で開始しています。本取り組みを通じてパートナー企業との共創およびバイポーラ型鉛蓄電池を活用したソリューションの開発を推進してまいります。

蓄電システム概要図

実証試験室内の写真

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