銅条製品とファイバレーザのソリューション展開を本格的に実施
〜高強度で安定的な銅のレーザ溶接を実現〜

2017年8月3日

当社は、銅条製品と高出力ファイバレーザのソリューション展開を本格的に実施します。高強度で安定的な銅のレーザ溶接を実現することで、車載用電池などの車の電動化、高機能化に貢献します。

背景

当社の高出力ファイバレーザは、独自のファイバ構造、ビーム結合技術により高反射光耐性、高集光性を実現しています。この技術により、銅やアルミなどの高反射率の難接合と言われている金属系に対する加工への適用および実用化の検討が進んでいます。
その中で、銅のレーザ溶接においては、スパッタ(注1)やブローホール(注2)などの溶接欠陥が発生しやすく、車載電池及びモーターなどの関連部品メーカーにとって、克服すべき技術課題との一つと認識されています。

6kWマルチモード ファイバレーザ

6kWマルチモードファイバレーザ

内容

当社は、レーザ溶接に最適化された銅合金に高出力ファイバレーザを融合させたソリューション展開を本格的に開始します。新たに素材成分や組織制御、めっきの厚みなどを最適化した銅合金に対し、高出力ファイバレーザと組み合わせることで、スパッタの発生が極めて少なく、ビード形状(注3)が安定な溶接を可能とする新たな融合技術を開発しました。

1kW シングルモードファイバレーザによる車載電池用タブリード-銅ブスバーの溶接部

1kW シングルモードファイバレーザによる車載電池用タブリード-銅ブスバーの溶接部
(a)正極側:溶接速度80mm/sec (b)負極側:溶接速度40mm/sec において、引張強度2kN 以上を実現 しています。

(注 1)スパッタ; レーザ溶接時に溶融した金属が飛散した微粒子。溶接欠陥の原因になり、品質に悪影響を及ぼします。

(注 2)ブローホール;溶接部における溶接欠陥の一種で、溶着金属の中に発生する球状の空洞

(注 3)ビード形状;レーザ溶接中に溶融凝固した金属

さらに当社は溶接欠陥等のモニタリング検証も進めており、今回の銅条技術とファイバレーザ加工技術と合わせて、当社千葉事業所のアプリケーションラボにてお試しいただくことが可能です。