リサイクル樹脂製ホームドア設置用ケーブルキャビネットを開発
~増加するホームドア設置工事の工期短縮に貢献~

2017年7月31日

当社は、東日本旅客鉄道株式会社、東鉄工業株式会社、ジェイアール東日本コンサルタンツ株式会社、JR東日本メカトロニクス株式会社と共同で、ホームドア設置用ケーブルキャビネットを開発しました。

2020年の東京オリンピックに向け、鉄道の駅ホームからの転落事故防止に効果的なホームドアの設置が急がれています。今回開発したケーブルキャビネットは、リサイクル樹脂製であり、軽量で施工性に優れ、工期の短縮に貢献します。既に、今年度より発売を開始し、東日本旅客鉄道株式会社の上野駅、大井町駅、鶴見駅で採用されており、今後、他の鉄道事業者でも多くの駅で採用される見込みです。

背景

ホームドア設置用ケーブルキャビネットは、ホームドア下に設けられるケーブル類を収容するキャビネットです。従来は、既存の盛土ホームにホームドアを設置する場合、設置場所のホーム端部を掘削し、縦綱板(L=5.0m)などを用いて土留めし、金属製のケーブルラックを設置して、ホームドア用の電力ケーブルなどを収容する空間をホームドア下に設けていました。しかしながら、重い縦綱板の搬入、設置には手間が掛り、ケーブルラックのボルト連結作業や固定に時間を要する問題がありました。ホームドアの設置は、鉄道が動いていない夜間の短い時間内で行うことが多く、より効率的に作業を進めるための工夫が必要とされていました。

内容

本製品は、L字型のケーブルキャビネットで、土留構造とケーブル収容構造を一体化した製品となっており、本製品を設置するだけで、土留めとケーブル収容部の設置ができる製品となっています。

また、樹脂製としたことにより、軽量なため人力で搬入、設置ができ、さらにオスメス連結構造としたことにより、ボルト連結作業が不要で、従来より短時間で設置することが可能で、掘削・基礎工を含めた現場作業を半減することができました。

国土交通省は、原則2020年までに1日10万人以上が利用する駅でのホームドア設置を求めていますが、現在の設置率は3割程度であり、鉄道各社はホームドアの設置を進めています。

当社は、本製品による工期短縮で、ホームドア設置推進に貢献してまいります。

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