「かるい」「かんたん」「やわらかい」らくらくケーブルシステムを開発
~低圧ケーブル工事の省力化や関連業務の効率化に貢献~

2018年5月22日

当社は、導体にアルミニウムを採用した高機能型低圧アルミ導体CVケーブル「らくらくケーブル」と、これに使用する専用端子、端子台、専用工具からなる「らくらくケーブルシステム」を開発し、2018年6月より販売を開始します。
本システムは2018年5月23日から開催されるJECA FAIR2018-第66回電設工業展に出展します。

背景

ビル、マンション、工場や商業施設の屋内配線には、架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(以下、CVケーブル)が広く使用されています。
近年、建設現場における労働者不足や高年齢化が深刻化している一方で、建設現場における生産性向上の推進も至上命題となっており、作業の省力化や関連する業務の効率化に貢献する資機材のニーズが一段と高まってきています。
また、CVケーブルの導体には一般的に銅が使用されていますが、近年、銅地金価格は高値で変動していることから、地金価格変動リスクが懸念され、ケーブル調達業務が煩雑化しつつあります。

内容

高機能型低圧アルミ導体ケーブル「らくらくケーブル」

【かるい】
今回開発した高機能型低圧アルミ導体CVケーブル「らくらくケーブル」は、導体にアルミニウムを採用することで、従来のCVケーブルに比べて約半分の質量(同サイズ比)を実現しました。通電容量を現行のCVケーブルに合わせた場合、らくらくケーブルのケーブルサイズは1~2サイズアップしますが、それでも約30%の質量を軽減することに成功しました。

【かんたん】
更に、絶縁材料を改良し、常温だけでなく低温下でも従来のCVケーブルよりも格段に被覆の剥ぎ取りを容易にしました。

【やわらかい】
絶縁材料の改良に加えて、導体構成を工夫することで、従来のCVケーブルの約3倍の曲げやすさを達成しました。

こうした特長を持つ「らくらくケーブル」は、運搬作業(ドラムの荷降ろし、移動や切り返しなど)、ケーブル布設作業(繰り出しや引き込み、延線や整線など)、端末処理作業(ケーブルの曲取り(くせとり)や被覆の剥ぎ取りなど)の省力化を実現しました。

アルミ導体専用端子

ケーブルにアルミ導体を使用する際の技術的課題として、「導体表面の酸化皮膜」「異種金属接触腐食」「応力緩和」があるため、アルミ導体ケーブルを使用するにあたっては、これらの課題を解決するための技術的要素を盛り込んだ専用端子が必要になります。
そこで、長年当社内で培われてきた架空送配電や自動車用ワイヤハーネス等のアルミ導体接続技術を基に、圧着端子メーカーや端子台メーカーとの協働により、らくらくケーブル専用端子を開発しました。開発した専用端子は、端末処理作業における作業者の負担増を極力抑えるために、広く普及している「圧着方式」を採用しています。

アルミ端子台

端子台についても、端子取り付け板をアルミニウム合金製としたアルミ端子台を採用しました。アルミ端子台は、従来の銅合金製端子台と比べて約30%の軽量化を実現しています。また、端子取り付け板表面にはニッケルめっきが施されているので、従来の銅端子を取り付けることも可能です。

専用工具:皮剥ぎ+ブラッシング用工具

アルミ導体の表面は酸化皮膜に覆われています。この酸化皮膜は絶縁物なので、端末処理の際にはスチール製ワイヤーブラシを使ってアルミ導体表面をブラッシングして取り除く必要があります。今回、このブラッシング作業の省力化と施工品質の均一化を向上する工具を新たに開発しました。
この工具はブラッシング機能だけではなく、被覆の剥ぎ取り機能も兼ね備えているため「被覆を剥ぎ取りながら同時にブラッシングする」ことができ、アルミ導体ケーブルの端末処理作業性が大幅に向上します。

「らくらくケーブルシステム」の製品化は、以下のメーカーとの協働により実現しました。

  • 高機能型低圧アルミ導体ケーブル「らくらくケーブル」・・・古河電工産業電線株式会社(本社:東京都荒川区、社長:松本 康一郎)
  • 専用圧着端子・・・冨士端子工業株式会社(本社:大阪市西区、社長:本郷 辰也)
  • アルミ端子台・・・不二電機工業株式会社(本社:京都市中京区、社長:八木 達史)

これらの製品からなる「らくらくケーブルシステム」は、以下の点でお客様に貢献します。

  1. 運搬、延線/整線/端末処理/撤去などのケーブル工事の省力化
  2. 必要資機材に関するワンストップ対応による調達業務の効率化
  3. 銅地金価格変動に伴う銅価変動リスクの回避
  4. ケーブル調達コストの低減
  5. 盗難防止や腰痛対策(「安心」「安全」に貢献)

当社グループは、人手不足の現場で求められている「省力化」、「簡単」、「扱いやすさ」、「短時間」、「メンテナンス低減」に貢献する商品群を「古河電工らくらく商品」と名付け、展開しています。今後、「らくらくケーブル」の売上高を2020年度までに21億円に拡大する予定です。

本システムは2018年5月23日から開催されるJECA FAIR2018-第66回電設工業展に出展します。

らくらくケーブルシステム

らくらくケーブルシステム