使い捨てプラスチックを使った製品を販売開始
〜世界的なプラスチック問題解決への足掛かりに〜

2019年7月22日

当社は、本年6月27日に使い捨てプラスチックをリサイクルしたケーブル関連製品の販売を開始しました。
今回用いた使い捨てプラスチックは、使用済みの飲料用紙パックです。これを当社独自の技術で繊維強化プラスチックに変性し、ケーブル関連製品「ベルマウス」に再生させました。
今後は、本技術を、他の自社製品に展開すると共に、世界各地で焼却、埋め立て、あるいは放置されている各種廃プラのリサイクルに活用できるよう、本技術の普及を進め、地球環境の改善に貢献します。

背景

プラスチック使用量の約4割を占める食品容器等のプラスチック包装材は、複数種のプラスチックや紙で構成されているものが多く、大半がリサイクルされていません。そこで、当社は、このような廃プラをリサイクルするための研究開発を続けてきました。

内容

「ベルマウス」は、ケーブルの地中埋設用防護管「エフレックス®」の部品で、従来はバージン材料の高密度ポリエチレン(注1)を使っていました。この材料は、飲料用紙パックに使われている低密度ポリエチレン(注2)の約2倍の強度があります。今回、販売開始したものは、使用済み飲料用紙パックを使っていますが、当社独自の技術により紙の主成分セルロース繊維にてプラスチックの強度をアップしていますので、従来品と同等の性能を有しています。
なお、更に強度が高いガラス繊維強化プラスチック(注3)製のケーブル関連製品「ハイジョイントアクア®」についても、年内に使い捨てプラスチックを再生したものに変更する予定です。
また、自社製品への利用に留まらず、本技術の世界に向けた発信を開始しました。一例としては、当社は、本年6月にドイツで開催された国際会議「Plastics Recycling Technology」で本技術について講演し、既に多くの問い合わせや、引き合いを頂いています。今後は、国内外の行政機関や、プラスチック業界、リサイクル業界と連携して、本技術の普及を進め、地球環境の改善に貢献します。

ベルマウス

ハイジョイントアクア®

(注 1)高密度ポリエチレン:密度が高いポリエチレン。強度が高く、シャンプーボトルや、建築や土木分野などの構造材料にも使われている。

(注 2)低密度ポリエチレン:密度が低いポリエチレン。強度が低いが、加工性に優れており、使い捨てプラスチック製品に最も多く使われている。

(注 3)ガラス繊維強化プラスチック:ガラス繊維でプラスチックを強化したもの。強度が非常に高く、自動車部品、風量発電のブレード等に用いられているが、リサイクルが進んでいない。

製品のお問合せ先

古河電気工業株式会社
(製品関連) AT・機能樹脂事業部門 機能樹脂製品部 営業部 管路営業課
岡村 03-3286-3300
(技術関連) AT・機能樹脂事業部門 リサイクル・海外トラフプロジェクトチーム
池内 0463-24-8597

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