山崎悟志、大場洋次郎、佐々木宏和、大沼正人

概要

電解銅箔中のナノ介在物及び空孔の定量的評価を行うことを目的として,小角X線散乱(SAXS)及び極小角X線散乱(USAXS)測定を行った。このナノ介在物は製箔する際に添加する物質であり,空孔はナノ介在物が焼成により,凝集・焼失してできたものと推測している。測定した結果,有機添加剤を添加した箔と添加しない箔とでは,約0.3 nm-1よりもHigh-q の領域において,明瞭な散乱の強度差があることを確認した。また,300℃で焼成した箔ではLow-q の領域において散乱強度が増加した。これらの散乱強度は,それぞれナノ介在物と空孔に由来すると推測している。

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