高木智洋、八木正史

概要

NEDOプロジェクトの一環として,275 kV-HTSケーブルの短尺試料にあらかじめ人工地絡点を設けておき,そこに地絡事故を模擬する交流電流を通電する地絡模擬実験を行った。何らの保護も設けない場合は,AC10 kA-3サイクルの通電で内/外の両断熱管に大きな穴が開いてしまった。続いて,断熱外管の健全性を維持するための対策としてケーブルコアの外周と断熱内管の外周に絶縁性の不織 布からなる保護層を設けた試料で実験を試みた。その結果,ケーブルコア外周の保護層の有無にかかわらずケーブルコアは激しく損傷したのに対して,断熱内管外周の保護層はAC20 kA-3サイクルの通電から断熱外管の健全性を保持することに成功した。

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