高橋正典

概要

従来のシングルモードファイバを用いた光通信システムでは,伝送容量増加が限界に達することが示唆されており,マルチコアファイバ(MCF: MulticoreFiber)を用いた空間分割多重伝送技術の早期実用化が期待されている。本報告では,MCFの実用化に向けた製造性向上の観点から,これまでに報告されているMCF製造技術の研究開発動向について紹介する。更に,現在最も多く用いられている製法である穿孔法における課題(穿孔コスト,母材サイズの制約)を解決するための新製法として我々が開発を進めている非開削法について報告する。非開削法は原理的に母材の大型化,低コスト化が可能という利点があり,実際に設計を最適化した非開削法による母材からMCFを作製し,穿孔法によるMCFと同程度となる低損失化を実現した。

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