世界トップクラスの導電率、カーボン・ナノチューブの開発に成功
〜NEDO助成事業に採択され、実用化に向けた研究開発を開始〜

2015年6月16日

当社は、信州大学と共同で、世界トップクラスの導電率となるカーボン・ナノチューブ(以下、CNT)導体の開発に成功しました。この開発成果は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)が実施する助成事業「低炭素社会を実現するナノ炭素材料実用化プロジェクト」に採択され、今後、実用化へ向けた研究開発が行われます。

背景

CNTは炭素原子が六角形に結合したシートを、円筒状にした構造の物質です。銅の1/5の軽さで鋼鉄の20倍の強度、電流密度は銅の1,000倍という優れた特性を持ちます。CNTはナノ炭素材料の一つとして、電子部品の軽量化や大幅な性能向上に貢献する素材としても期待されており、低炭素社会実現に必要不可欠な超軽量・高機能材料です。

内容

このたび当社は、CNTの世界的な研究開発機関である信州大学のカーボン科学研究所(長野県長野市)と共同で、世界トップクラスの導電率を有するCNT導体の開発に成功しました。また、この開発成果をもとに、NEDOの「低炭素社会を実現する炭素材料実用化プロジェクト」助成事業に、「ナノ炭素材料軽量導線の開発」テーマとして提案し採択されました。本事業は、信州大学に一部を委託した上で、今後2年間でCNTを用いた超軽量電線の開発を行い、電線として実用に耐え得るサンプルを完成させる予定です。

今後とも当社は、CNTが持つ高強度、超軽量、耐環境特性などを活かして、電線の軽量化や低損失化に取り組むことで、省エネルギー社会の実現に貢献して参ります。

開発品への導通によるLEDの発光

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