次世代ネットワークOS搭載ルータ FITELnet F220/F221/FX201の3機種を同時発売
~多種多様な企業ネットワークやキャリアサービスを高い信頼性で支える~

2019年10月1日

本格的な5G社会の到来に向け、データセンタ、クラウド、大規模企業ネットワークに求められる高性能・高機能・高信頼性対応への要求はますます高まっております。当社は、昨年発売したFITELnet F2500に続く次世代ネットワークOSを搭載した新Fシリーズの第2弾として、FITELnet F220、FITELnet F221を2019年10月に販売を開始します。また同時にキャリアグレードのマルチサービスルータFITELnet FX1のエンハンスモデルとしてFITELnet FX201の販売を開始します。

内容

FITELnet F220 および FITELnet F221 は、専用ルータ製品の機能・性能とWhite Box製品(注1) の柔軟性を併せ持ち、お客様の多種多様な要望に応える「フレキシブルサービスアドオン対応アクセスVPNルータ」です。クラス最高のIPsec(注2) 性能で最大2.3Gbps(平文性能は4.0Gbps)を実現し、パフォーマンスが求められる拠点や中規模センタまで幅広くご利用いただけます。FITELnet F221は、マルチキャリア対応LTE通信モジュール(デュアルSIM対応)を内蔵し、様々な有線回線/無線回線サービスを利用したマルチアクセスを実現します。
FITELnet FX201は、これまで培った高度な技術やノウハウを凝縮し、クラス最高レベルの機能・性能を実現しつつ、1G/10Gマルチレート36 ポートに対応し、多様なサービスに対して高収容を可能にします。大規模企業ネットワークやデータセンタ、通信事業者の商用ネットワークまで、幅広くお使いいただけます。
当社は国内ネットワーク機器メーカの強みを活かし、開発・保守・セールスエンジニアが一体となったサポート体制で、ネットワークの高性能化・高機能化・柔軟性/拡張性の確保を強力にバックアップします。

FITELnet F220とFITELnet F221の特長

1.自由度を高めて多様なニーズに対応可能

FITELnet F220とFITELnet F221は、これまで企業ネットワークで培ったルータ専用機能・性能に、White Box製品の柔軟さを加えた非常に汎用性の高い製品です。装置内に自由にアプリケーションをアドオンできるアーキテクチャを持ち、OSS(注3)や自作のLXC(注4)アプリケーションを利用することが可能なため、エッジコンピューティングなどを実現できます。

図4. LXCアプリケーション適用イメージ

図4. LXCアプリケーション適用イメージ

2.LTE通信モジュール内蔵(FITELnet F221のみ)

FITELnet F221はマルチキャリアLTE通信モジュールを搭載しており、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクのモバイル回線を自由に選択することができます(各社MVNO回線含む)。SIMをご用意頂くだけで、ご利用中のISDN回線運用を簡単にLTE回線運用に移行することができます。また、SIMスロットを2つ搭載しているため、異なる通信キャリア回線を利用した冗長構成をとることが可能です。

3.クラス最高のIPsec性能

IPsecにおいて最大128拠点収容、スループット最大2.3Gbpsを実現しています。高いパフォーマンスを求められる拠点や中規模センタでのご利用に最適です。

4.最新の回線サービスに柔軟に対応

NTT東日本およびNTT西日本の帯域確保型データ通信サービス「データコネクト」にエンハンスでのサポートを予定しており、ISDNからのマイグレーションも適用可能です。小型ONU専用のSFPポートも搭載しており、ラック内に別途ONUを設置するスペースやONU用の電源を確保する必要がありません。

FITELnet FX201の特長

1.10G uplink / downlink 多重、10~100G レンジ帯域に適応

19インチラック1Uサイズの筐体で、1G/10Gのマルチレートギガビットイーサネットを36ポート搭載しています。10Gのuplink/downlink 多重やUplink 10GでNポートLAG冗長に適応できます。全ポートにおいて、ファイバ以外にメタル線(10/100/1000Base-T)も選択可能です。

2.キャリアグレードのFITELnet FX1搭載機能を踏襲

FITELnet FX1に搭載されている機能を踏襲しており、キャリアサービスで用いられるMPLS(注5) IP-VPN機能をはじめ、L2GW(Gateway)機能、豊富なIPsec機能をサポートしています。
IPsecにおいては最大20,000セッション、スループット最大16Gbpsを実現しています。
IPsecの瞬時切替を実現するIPsec HA(注6)機能もサポートしており、MPSA(注7)機能のセンタ装置としての機能に関してもエンハンスでサポートする予定です。

用語解説

(注 1)White Box製品
ソフトウェアを含まないネットワーク製品です。専用ネットワーク製品は、ソフトウェアとハードウェアが統合された形で販売されており、ユーザが機能を新たに追加することは困難ですが、White Box製品はユーザ自身で必要に応じてソフトウェアを選択・開発して機能を追加することが可能です。

(注 2)IPsec
VPNを実現する方式です。転送データ(パケット)を暗号化、トンネリング、復号化することにより、途中経路でのデータ改竄・盗聴を防ぎ、セキュリティが確保されたバーチャル・プライベート・ネットワーク(VPN)を構築することができます。

(注 3)OSS (Open Source Software)
ソースコードが無償で公開されていて、利用や改変、再配布が許可されているソフトウェアのことです。

(注 4)LXC(Linux Containers)
コンテナ型仮想化技術と呼ばれるものの1つです。

(注 5)MPLS (Multi Protocol Label Switching)
VPN(Virtual Private Network)を構築する方法の一つです。パケットにラベル[label]という識別子を付加し、高速な転送を実現します。IP-VPNサービスのバックボーンネットワークに広く採用されています。

(注 6)IPsec HA
VRRP等により機器冗長を行う際にIPsecの制御情報を機器間で共有することにより、機器停止時においてもIPsec接続の継続性を向上する技術のことです。

(注 7)MPSA (Multi-point Security Association)
大規模なIPsec網における設定の煩雑さ・スケーラビリティ・遅延といった課題を解消し、拠点間通信に必要な情報をMPSAサーバがすべてコントロールする、SDN(Software Defined Networking)の概念を取り入れた、IPsec拡張方式です。多数拠点のVPNを構築する際の設定による手間を減らすことを可能とします。