電動キックボードのワイヤレス充電ポートシステムを開発、実証開始

2021年12月7日

株式会社大林組
古河電気工業株式会社

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)と、古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小林敬一)は共同で、電動キックボードのワイヤレス充電ポートシステムを開発し、実証試験を開始しました。本開発は、電動マイクロモビリティのシェアリングサービスを提供する株式会社Luup(注1)(本社:東京都渋谷区、社長:岡井大輝)の協力を得て進めています。

近年、脱炭素化への社会的関心の高まりから、電動アシスト自転車や電動キックボードのシェアリングサービスが日本国内でも都市部を中心に展開されています。一方で、利用者の満足度が高いサービスを提供するためには、いつでも利用できる環境づくり、とりわけいかに手間をかけずに充電を管理するかが重要です。しかし、従来の充電池の大容量化や人の巡回による充電池の交換による対応においては、機体コストの高価格化や人件費の増加が課題でした。
今回2社が開発した電動キックボードのワイヤレス充電ポートシステムは、古河電工の樹脂製ケーブルトラフ「グリーントラフ®(注2)」に収納した送電装置、受電機を搭載した電動キックボード、および電源ボックスで構成されており、キックボードが送電装置の上に駐機することで自動的に充電が開始されます。また、充電中に金属異物を加熱しにくい電界結合方式(注3)を採用して安全性を高めています。本システムは大林組技術研究所(東京都清瀬市)において、2022年3月まで充電と走行の実証実験を行います。

電動キックボードのワイヤレス充電ポートシステムの特長は、以下のとおりです。

1 充電作業の削減
人が巡回して行っていた充電池の交換作業だけでなく、回収した電池の充電といった作業が削減されるため、充電管理にかかる運用コストが縮減できます。

2 機体コストの削減
日々の電池交換が不要となり、交換用の予備電池を大幅に削減できます。また大容量化していた電池搭載量を低減できるため、機体コストを削減できるとともに、軽量化により燃費(電費)が向上します。

図1 本ワイヤレス充電ポートシステムの概要

今後、開発したシステムの実証を重ね、利用者および運営者にとって最適な充電システムやインフラの研究、改善を進め、2025年度の製品化に向けて検討していきます。

大林組は次世代モビリティを支える便利で快適かつ安価なインフラを提供することで、街や施設の魅力の向上に貢献していきます。古河電工はワイヤレス電力伝送を活用した次世代モビリティの開発を通して安全・安心・快適な社会の実現に貢献していきます。

(注 1)株式会社Luup
先端技術を活かした安全な移動インフラの実現をめざして電動マイクロモビリティのシェアリングサービスを提供。本実証実験は、同社の取り組むオープンなパートナーシップの一環として、技術協力を得て進めている

(注 2)グリーントラフ®
再生プラスチックを主原料とした環境にやさしい樹脂製ケーブルトラフであり、コンクリートトラフに比べて軽量で耐久性・耐衝撃性・現場加工性に優れるという特長があり、太陽光発電所や鉄道線路脇でケーブル収納に多くの実績がある。なお、「グリーントラフ」は日本における古河電気工業株式会社の登録商標。
アスファルト舗装面による送電効率の悪化や、施工時の衝撃や熱が送電装置に悪影響を及ぼすリスク、運用時のメンテナンス性等の従来の課題を解決し、まちの美観景観に調和した充電ポートづくりをめざす

(注 3)電界結合方式
二枚の電極板に交流を印加して発生した電界を介して電力伝送を行う方式。
磁界による導体内での渦電流の発生に伴う発熱が起こらないことから、金属異物を加熱しにくいという特徴があり、また電極をアルミ板などで構成できるため軽量化が可能であり、加工性にも優れている

古河電工グループのSDGsへの取り組み

当社グループは、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に置き、2030年をターゲットとした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定して、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めています。ビジョン2030の達成に向けて、中長期的な企業価値向上を目指すESG経営をOpen,Agile,Innovativeに推進し、SDGsの達成に貢献します。

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