鉄道メンテナンスに最適な小型レーザ施工システムを製品化
~ 軽量手持式レーザヘッドにより、塗膜除去の作業を大幅に効率化 ~

2023年10月23日

  • 鉄道車両の塗膜除去に最適な小型レーザ施工システムを製品化し、2024年3月より受注開始
  • 軽量手持式レーザヘッドにより、従来の機械工具での塗膜除去作業比で約7倍のスピード施工可能
  • ファイバレーザを適用しながらも鋼材にダメージを与えることなく、1種ケレンに相当する塗膜除去を実現

古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区大手町2丁目6番4号、代表取締役社長:森平 英也)は、インフラ構造物向けの表面処理ソリューション「インフラレーザTM」において、鉄道車両の塗膜除去などメンテナンスに最適な小型レーザ施工システムを製品化し、2024年3月より受注開始します。

背景

鉄道車両台車など鋼構造物の溶接部は、強度を維持するための重要箇所であることから法令で定期検査が義務付けられている場合もあります。従来、これら溶接部を保護する塗膜の除去にはニードルスケーラーやサンダーなどの機械工具が用いられてきましたが、作業時に発生する粉塵・騒音・振動などが作業員への負担となり課題となっていました。
当社は、2023年1月にインフラ構造物向け表面処理ソリューション インフラレーザTMの共創拠点であるインフラレーザTMラボを千葉事業所(千葉県市原市)内に開設し、様々な業界のパートナーとともにインフラメンテナンスの作業効率化および労働衛生改善などに向けたレーザ施工システムの開発を進めてきました。

内容

産業用レーザで培った技術を応用したインフラ構造物向けの表面処理ソリューション インフラレーザTMにおいて、鉄道車両の塗膜除去などのメンテナンスに最適な小型レーザ施工システム(本体重量150kg以下)を製品化し、2024年3月より受注を開始します(図1)。本システムには、当社のコア技術のひとつであるフォトニクスの技術を用いて開発した、片手でも安全に操作可能な軽量手持式レーザヘッド(重量2kg未満)が搭載され、メンテナンス工場内で扱いやすい設計となっています(図2)。従来の機械工具(ニードルスケーラー)での作業と比較して約7倍のスピードで施工することが可能で(図3)、光源に連続波方式のファイバレーザを適用しながらも鋼材にダメージを与えず、騒音・振動も発生させることなく、1種ケレン(注1)に相当する水準の塗膜除去を実現しました。導入時のレーザ安全教育等を実施することにより、レーザ機器を初めて使うお客様にも安心してご使用いただけます。

図3 機械工具(ニードルスケーラー)とインフラレーザTMによるレーザ施工との比較(注4)

現在様々な業界のパートナーから屋外等の厳しい環境に耐えられる製品への要望が挙がっており、船舶・造船所・港湾用途など重塩害地域での利用も想定した設計を検討していくとともに、錆・塗膜除去などの表面処理の更なる高速化に向けてレーザ施工システムのラインナップを拡充する計画です。今後もインフラメンテナンスの作業効率化に加えて、労働衛生の改善や環境負荷の低減を推進し、様々なインフラ構造物の老朽化対策や長寿命化に貢献してまいります。

(注 1)ケレンとは錆や古い塗料などの汚れを落とすこと。1種から4種のグレードがあり、1種ケレンはブラスト法により錆や塗膜を完全に除去する

(注 2)本製品のデザインは富士通株式会社 デザインセンターとの共創

(注 3)本製品はJIS C 6802に規定されたクラス4のレーザ機器

(注 4)レーザ施工した鋼材としての評価は、京都大学 工学研究科 社会基盤工学専攻構造工学講座 北根安雄教授との共同研究にて実施

展示会出展情報

第8回鉄道技術展2023
会期:2023年11月8日(水)~10日(金)
会場:幕張メッセ

インフラ構造物向け表面処理ソリューション

『インフラレーザ』は古河電気工業株式会社が商標登録出願中です。

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古河電工グループのSDGsへの取り組み

当社グループは、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に置き、2030年をターゲットとした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定して、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めています。ビジョン2030の達成に向けて、中長期的な企業価値向上を目指すESG経営をOpen,Agile,Innovativeに推進し、SDGsの達成に貢献します。

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