無線LANルータ一体型のGE-PON加入者端末を開発

2014年7月28日

当社は、ケーブルテレビ業界向けとしては初となる、無線LAN ルータを内蔵したGE-PON(注1)加入者端末「FITELwave®AG20R」を開発しました。 5GHz帯を利用した最新の高速無線LAN規格に準拠しており、無線接続でも有線接続に劣らない光ブロードバンド体験を可能としています。
本製品の注文受付は2014年9月より開始し、販売開始は同年12月を予定しています。

背景

近年、スマートフォンに代表される無線LAN機器の普及により、かつての有線接続したパソコンによるインターネットを楽しむ形から、多種多様な機器での無線接続による形態に主流が変化しつつあり、家庭への無線LAN親機・ルータの導入が欠かせないものとなってきています。

一方で、これまで国内ケーブルテレビのブロードバンドサービスにおいては、GE-PON加入者端末は単機能型で提供され、ルータ機能や無線LAN機能を利用したい場合は 加入者個人で市場販売品を導入するか、CATV事業者が提供、サポートするしかありませんでした。

このような状況下、加入者側からは家庭内でのネットワーク機器の増加や、無線LANルータの選択・設置、設定の困難さもあり、「機器・サービスの一体化」を望む声がより大きくなっていました。

FITELwaveAG20R

開発した製品

このたび、当社は、ONU機能(注2)と無線LAN ルータ機能を組み合わせながら、且つ既存ONUと同様に無線LANルータ部もGE-PONシステム上で違和感なくケーブルテレビ事業者様で管理できる様、配慮した製品 を開発しました。

開発した製品

  • 無線LANルータ機能を内蔵したGE-PON ONU
  • 高速無線LAN、IEEE802.11ac規格対応
  • IEEE802.11a/b/g/nも同時対応
  • 20km仕様PON対応
  • 既存PONシステムによる無線ルータ管理
  • サイズ H204mm x D164mm x W24mm
  • 価格 オープン

備考

7/30に開催されるケーブル技術ショー2014 のセミナーにて商品を発表いたします。

(注1) GE-PON(Gigabit Ethernet − Passive Optical Network):
PONとは光アクセス回線の途中で受動素子により光ファイバを分岐して効率よく光ファイバによるインターネット接続サービスを実現する技術の総称です。PONの一種でデータを従来LANで使用されてきたギガビットイーサネットにより伝送するネットワークをGE-PONと呼びます。この技術により、光アクセス回線上で双方向1Gb/sの高速インターネット接続サービスが経済的に可能になります。2004 年に米国電気電子学会(IEEE)により「IEEE802.3ah」規格として標準化され、その後内外でGE-PONによる1Gbpsの光ファイバ接続サービスを展開しています。

(注2) ONU(Optical Network Unit):
光アクセス回線のユーザ側引き込み拠点に設置される装置であり、光アクセス回線を終端して光と電気を変換する機能を持ちます。