クラス最高性能を有するIPsecルータ FITELnet® F2200を販売開始
〜コストパフォーマンスに優れた製品でラインナップを強化〜

2014年9月30日

当社は、従来製品と比較して、IPsec(注1)性能、拠点収容数を2倍以上に増強した「FITELnet F2200」を販売開始します。大規模センター装置として、あるいはトラフィックが集中するデータセンターやクラウドのゲートウェイ・ルータ(注2)として最適な装置です。大幅な性能向上の一方で、従来製品と同一価格を実現しました。

背景

近年、クラウドコンピューティングサービスの利用増加やTV会議、電話会議等のコミュニケーションツールの普及、広帯域で安価なアクセス回線/サービスの拡がりによって、企業内の通信トラフィック量は今後さらに増加していくとみられています。

また、P2P通信(注3)が有効なアプリケーション・インフラ環境では、通信トラフィックが分散しつつある一方で、データセンターやクラウド利用によるセンター装置への集中が進むなど、通信トラフィックの「分散」と「集中」という相反するニーズの高まりがあるなど、近年の企業ネットワーク環境は大きな変革時期を迎えています。

内容

このたび当社は、大規模センター装置として好評頂いているIPsecルータ「FITELnet F2000」の後継機種として、IPsec性能/拠点収容数を2倍以上に増強した「FITELnet F2200」を2014年11月末から販売開始します。

「FITELnet F2200」は、MPSA(Multi-point Security Association)Controllerとして利用することで、大規模センター機が不要な分散通信環境を実現し、さらにIPsec性能の大幅な向上と拠点収容数の拡張により、収容効率に優れ且つ安定した大規模センター機としてもご利用頂くことが可能です。

FITELnet F2200

また、IPsec性能の大幅な向上と拠点収容数の拡張により、通信トラフィックが集中するデータセンターやクラウドサービスのゲートウェイ・ルータとしても最適な装置です。

今後とも当社は、設計から製造まですべて日本国内で行うネットワーク機器メーカの強みを活かし、開発エンジニアと一体となったサポート体制で、これからの企業ネットワークを支えていきます。

標準価格と販売目標台数

標準価格(税別) 498,000円(予定)
販売目標台数 年間3万台    (注)FITELnet -F シリーズ全体

(注1) IPsec:
転送データを暗号化、トンネリング、復号化することにより、途中経路でのデータ改竄・盗聴を防ぎ、セキュリティが確保されたバーチャル・プライベート・ネットワーク(VPN)を実現する方式。

(注2) ゲートウェイ・ルータ:
異なるネットワーク間を接続する機器。

(注3) P2P 通信:
ネットワーク上で対等な関係にある端末間を相互に直接接続し、データを送受信する通信方式。端末数が膨大になっても特定端末へのアクセス集中が発生しづらいという特徴がある。

主な特長

クラス最高のIPsec性能

19インチラック1Uサイズの筐体でIPsecスループット最大2Gbpsを実現しています。IPsecで最大2000拠点を収容可能でVRRPによる機器冗長機能もサポートしていることから、収容効率に優れ且つ安定したネットワークを構築可能な大規模センター機としての利用の他、トラフィックが集中するデータセンターやクラウドのゲートウェイ・ルータとしても最適です。

L2 トンネリング機能を高スケールでサポート

EtherIP機能及びL2TPv3機能をサポートし、最大2000拠点を収容可能です。Bridge機能によって装置内折り返しL2通信もサポートします。また、L2中継時においても、優先制御や帯域制御などL3中継時と同等のQoS機能をサポートします。

多彩なインタフェースに対応

WAN側2ポート/LAN側8ポートの全てのEthernetポートにギガビットイーサネットインタフェースを搭載 しています。WAN側ポートでは光インタフェース(SFPオプション)を選択可能です。また、USBインタフェースを2ポート搭載し、USBタイプのデータ通信端末に対応するほか、装置コンフィグレーション/ファームウェア/ログを保存する外部メモリとしても利用可能です。

MPSA (Multi-point Security Association) 機能を搭載

標準化団体のIETF(Internet Engineering Task Force)へ提案中のMPSA機能をサポートします。MPSAは、大規模なIPsec網における設定の煩雑さ・スケーラビリティ・遅延といった課題を解消し、拠点間通信に必要な情報をMPSA Controllerがすべてコントロールする、SDN(Software Defined Networking)の概念を取り入れたまったく新しいIPsec拡張方式です。

コントロールプレーン(C-Plane)には、IKEv2やBGPといった標準技術を採用し、データプレーン(D-Plane)は単一のMPSAを用いたフルメッシュIPsec通信が可能です。拠点側の追加、削除時においても既存拠点側の設定変更は一切不要で、自動で暗号化された拠点間の通信路を確立することが可能です。F2200は、 MPSA Controllerとして最大500拠点を収容可能です。

MPSAを利用したこれからの企業VPN

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