地球を小さくする大容量光通信技術「PON」

現在の社会インフラにおいてインターネット通信は欠かせない。携帯電話を始め、テレビ、インターネット、電話、金融取引、電力、モビリティなどすべてのインフラがインターネットを通じて、またはその技術を通じてデータのやり取りを行っている。近年ではその通信量が飛躍的に増えることでさまざまなサービスが実現可能となっている。
古河電工ではこの大容量光通信を実現するためのPON技術を提供している。

光だけで通信を行う技術

PON技術とは、1本の光ファイバで送信した光信号を、光分岐器を使って100近いユーザーに分配してデータをやり取りする極めて経済的な通信技術だ。光受動部品のみで光信号を分配することからPON(Passive Optical Network)と呼ばれている。現在では多くの通信事業者やCATV事業者が、PON方式の通信システムを使用している。

PON技術:1本の光ファイバで送信した光信号を、光分岐器を使って100近いユーザーに分配。通信量の増大にも対応

大容量で高効率な光伝送装置

古河電工は、PONを実現するための光伝送装置(OLT=Optical Line Termination)と加入者光端末(ONU=Optical Network Unit)を開発、全国の通信事業者、およびCATV事業者、鉄道事業者、高速道路会社などに販売している。2021年に販売を開始した最新モデルの光伝送装置では480Gbpsの信号を最大6144か所に分配できる性能を実現。また、加入者光端末では一般家庭でも10Gbpsのインターネット通信を実現できる10G-ONUなどを販売している。これは家族4人が個々に好きな映画を高画質で視聴してなお余裕がある性能である。

2021年の最新モデルの光伝送装置OLT

480Gbpsの信号を最大6144か所に分配できる

光伝送装置10G-ONU

一般家庭でも10Gbpsのインターネット通信を実現

当社システム開発課の松本卓三は次のように語る。
古河電工では、1990年代初頭からFTTH(fiber to the home)システムの実現に向けてシステムや機器の研究開発を行ってきました。災害から身を守る、遠隔地で最先端の診察が受けられる、遠くに住む大切な人と喜びを分かち合う、など通信に託される期待は今なお膨らみ続けていますが、人を幸せにする情報化社会の実現に向けて、これからも取り組んでまいります。