光ファイバからの輝度で世界最高レベルとなる出力5kWの青色レーザ発振器を開発
~ 青色レーザの出力向上により高速な銅の溶接を実現し、生産性向上に貢献 ~
- 当社従来比1.5倍以上の出力800Wの青色レーザダイオードモジュールを日亜化学と共同開発
- 光ファイバからの輝度で世界最高レベルとなる出力5kWの青色レーザ発振器を開発
- 青色レーザの高出力化により厚銅の溶接時間を1/3に短縮し、モータ巻線の溶接時間を20%短縮
古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区大手町2丁目6番4号、代表取締役社長:森平英也)と日亜化学工業株式会社(本社:徳島県阿南市上中町岡491番地、代表取締役社長:小川裕義、以下、「日亜化学」)は、従来比1.5倍以上の出力800Wの青色レーザダイオードモジュール(LDM)を共同開発しました。当社はこの青色LDMをレーザ発振器に搭載することにより、光ファイバからの輝度で世界最高レベルとなる出力5kWを実現しました。
背景
当社は日亜化学との協創により開発した青色LDMを搭載したBlue-IRハイブリッドレーザBRACE®Xを2022年1月に発売以降、業界最高水準(注)の5mm厚の銅のスパッタレス加工や業界初(注)となる巻線被膜の高速かつ残渣(ざんさ)のない除去を実現するなど、ラインナップを強化してきました。モビリティの電動化が加速するなか、電動車の主要部品である電動アクスルなどの生産工程において、生産効率向上に貢献する高出力の青色レーザソリューションに対する要望が高まっています。
内容
このたび当社と日亜化学は、当社従来比で1.5倍以上の出力となる800W(コア径110μm)の青色LDMを共同開発しました。さらにこれらの光出力を光ファイバのまま結合部品(コンバイナ)で1本の光ファイバに結合させることで、世界最高レベルの輝度および当社従来比2倍以上となる出力5kW(コア径300μm)を実現しました。1本の光ファイバからレーザ光が出力されるためガルバノスキャナ等の光学系との親和性が高く、製造装置の構成が簡略化されるとともに製造時に高速な加工を実現します。本発振器ではスパッタレスの条件範囲が拡大し、4mm厚の銅の溶接時間を当社従来比で1/3まで短縮することができます。また青色レーザの出力向上により青色レーザ単体での溶接も可能となり、例えばxEV用モータ巻線の溶接時間を従来のハイブリッドレーザシステムと比較して20%程度短縮できます。こうした溶接時間の短縮により、お客様の製造工程の生産性向上に貢献します。なお、神奈川県横浜市の日亜化学横浜研究所のレーザアプリケーションラボでは、本青色レーザを用いた加工実験も行えます。
(注) 発表当時
『BRACE』は日本における古河電気工業株式会社の登録商標です。
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古河電工グループのSDGsへの取り組み
当社グループは、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に置き、2030年をターゲットとした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定して、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めています。ビジョン2030の達成に向けて、中長期的な企業価値向上を目指すESG経営をOpen,Agile,Innovativeに推進し、SDGsの達成に貢献します。
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