安全・安心・快適な社会を実現する高機能フォーム
古河電工は電力ケーブルのポリエチレン架橋技術を活用し、世界で初めて化学架橋発泡ポリエチレンシート「フォームエース®」を開発した。更に発泡製品といえば紫外線に弱い、熱に弱い、燃えやすいなどの印象があるかもしれないが、当社が開発したフォームは、耐候性、耐熱性、難燃性などさまざまな特長を持ち、幅広い用途で活用されてきた。
例えば
- 屋根30分耐火の国土交通省認定を受けた「フネンエース®」
- 屋外屋根用途のために耐候性を向上させた「タイコウエース®」
- 熱膨張による高い遮炎、断熱性能を発揮し、火災による延焼被害を防止する「耐火フォーム」
さらに素材や気泡構造、製法を工夫して素材の可能性を広げた製品として
- 表面が滑らかで剛性があり、文具などに活用される無架橋低発泡ポリプロピレンシート「エフセル®」
- 優れた光反射性能を有し、省エネ照明を実現する超微細発泡PET「MCPET®」
などがある。
また、加工技術（積層、プロファイル加工、表面加飾など）を活用し、空手マットやヨガマットなどのスポーツ分野やエアダクトなどの自動車分野にも製品展開している。
だれでも簡単に、そして、心の安らぎを提供する抗ウイルス「スキルフリー® 避難時用マットV」
近年、震災や豪雨、台風による水害など、各地でさまざまな災害が発生している。被災地では多くの避難者が冷たくて固い床に耐えることを余儀なくされていた。避難所の環境改善が喫緊の課題と認識した当社は発泡技術を駆使して「抗ウイルス『スキルフリー® 避難時用マットV（ヴイ）』」を開発。このマットは避難所のさまざまな課題に応える特長を備えている。
- マット表面の抗ウイルス性能（注1）。
- 床の冷たさと堅さを和らげる。
- パーテション機能を兼ね備えており、プライバシーを確保。
- 子供や高齢者でも簡単に組み立てられるほど軽く、柔らかいので安全。
- 独立気泡構造で吸水しないため、水などをこぼしても拭き取れる。
- 避難時以外は壁面に固定して壁緩衝材として使えるので、専用の収納場所が不要。
高機能フォームのさらなる発展に向けて
当社の機能樹脂製品部技術開発部の土生(はぶ)は次のように語る。
「ベースとなる樹脂に機能材料を充てんして発泡させることでさまざまな高機能化を狙いますが、材料の相性によってはうまく発泡してくれないこともあり、安定した製品の開発や製造には高い技術と経験値が要求されます。抗ウイルスフォームでは、発泡シートの表面に抗ウイルス剤が集中的に配置される独自の手法を開発しました。
今後も、高充てん、気泡制御、機能発現、加工などの高機能樹脂技術を融合させることで、さまざまな機能をもつ高機能フォームへ展開予定です。
お客様との対話の中から真のニーズを見つけ、古河電工のコア技術とマッチングさせることで、フォーム製品は大きな可能性を秘めている素材です。これからも当社の発泡技術をさらに高めて、さまざまな高機能フォームを実現し、安全や安心、快適な生活を支える製品の開発に取り組んでまいります。」
（注1）抗ウイルス性能
試験結果：24時間で、初期値から99％以上のインフルエンザウイルス（A型H1N1）抑制を確認。
25℃で24時間静置した平板試験片を使用した抗ウイルス性試験での検証結果であり、試験手順はISO18184を参考にしています。第三者機関による試験結果であり、保証値ではありません。また、すべてのウイルスに対し同様の結果が得られるとは限りません。
（注） 各社員の所属部署や掲載内容は取材当時のものです。
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