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電装エレクトロニクス材料高性能な素材開発力を活かし、エレクトロニクス技術の発展に貢献

導電材(含む巻線)事業、銅条・高機能材事業から成り、主に電線、自動車部品や電子機器材料用銅製品の製造・販売を行っています。

事業環境・背景

自動車の電動化・自動運転を支える高性能デバイスの需要拡大

近年、先進自動車におけるADAS(先進運転支援システム)や自動運転技術の進歩を背景に、自動車の電子機器化が進んでいます。それに伴い、個々の部品においても、より「高精度」かつ「高信頼性」を持つ部品が求められるようになり、これまで以上に高性能な通信デバイス、センサ、制御デバイス、受動部品などの需要が急拡大しています。

データトラフィックの増大により高機能製品への需要も高まる

B5G(Beyond5G)を見据えたDXとAIの急速な普及に伴い、データトラフィックが増大。通信/エレクトロニクス市場では、誤作動を防ぐための非磁性や、デバイスの発熱を抑える放熱特性をもつ製品ニーズが高まっています。また、このような放熱製品をつなぐ高性能コネクタ材料へのニーズも増加。さらなる拡大が予想される半導体や電子部品市場において、より高性能な素材への要求が高まっていくでしょう。

こうした背景のもと、古河電工の電装エレクトロニクス材料事業では、さまざまな要求に対応できる付加価値を持つ電線や、先進自動車・先端電子機器に使用される素材の開発・製造・販売を行っています。

事業領域と強み

歴史と実績に裏打ちされた技術への信頼と、新たなニーズへの対応力

古河電工が製造する高純度の無酸素銅は、世界トップレベルの銅純度≧99.99%を確保。高い導電性や熱伝導性を有し、さまざまな電子機器や車載部品などに使用されています。また、光ファイバを包む海底ケーブルの遮蔽(しゃへい)材にも使用されており、世界シェアの約3分の1が古河電工製で、世界通信網の安定に貢献しています。

このような、長年にわたり培ってきた実績と当社技術への信頼、また、新たなニーズにも適応できる素材開発力と提案力が古河電工の大きな強みです。

製造工程の川上から川下まで、クリーンな生産体制を実現

グループ会社の古河日光発電は自然湖を水源とする水力発電所。日光事業所の電力はこのクリーンな水力発電で100%まかなわれているため、競合他社と比較してCO₂排出量が圧倒的に少なく、低炭素なプロセスで銅および銅合金の製品を市場へ供給しています。

また、こうした製品の供給(サプライチェーン排出量Scope2対象)だけでなく、リサイクル(回収)を積極的に進めることで、バリューチェーン全体のCO₂削減にも貢献しています(サプライチェーン排出量Scope3対象)。

中期事業戦略(2025年)

無酸素銅条で自動車の電動化を加速させる

電気自動車をはじめとする電動車の普及に伴い、駆動用モータの採用も進み、パワーモジュールの需要が増加しています。また、電力の変換・制御を行うパワー半導体デバイスのニーズが高まることで、その部品として接合される熱伝導性に優れた無酸素銅の需要も増しています。さらに、スマートフォンや自動車のBSS®(鉛バッテリ状態検知センサ)の残量表示に使われる抵抗材の需要も高まっています。

こうした背景を受け、酸素などの不純物を取り除いた高純度な無酸素銅を古河電工独自の技術で改良し、耐熱性を高めた材料が無酸素銅条「GOFC®」です。

上:パワー半導体搭載ジャンクションボックス

下:BSS®搭載例

パワーモジュールに搭載される半導体チップには絶縁基盤と無酸素銅が接合されていますが、一般的な無酸素銅を使用すると、製造工程中の熱処理によって外観が変化してしまうといった課題がありました。そうしたなか、高い耐熱性を誇るGOFC®は外観の変化を抑えることに成功。絶縁基盤の反りも低減し、製品の信頼性向上や長寿命化にもつながっています。

今後、無酸素銅条の需要はさらに拡大していくことが予想されています。そのため、2025年に向けて増産体制を整え、5倍の売上(2021年度比)を目指しながら、自動車の電動化に大きく貢献していきます。

エナメル線の生産能力を増強し、拡大する電子部品市場へ貢献

絶縁性や耐熱性に優れ、電子機器や通信機器でインダクタなどのコイルとして活用されているエナメル線。

古河電工グループのエナメル線は、耐加工タイプ・高潤滑タイプ・平角タイプなど、用途に応じてさまざまな種類をラインアップ。いずれもコイルの小型化・高占積率化・高効率化を可能にし、作業の効率化・不良率低減に貢献しています。また、何年も使い続けられる耐久性の高さは長期間の品質担保にもつながっています。

エナメル線はスマートフォンなどに搭載されるマイクロスピーカーやコンデンサなど、最先端通信技術や電気自動車・自動運転技術にも必須となり、今後の需要増が見込まれている製品。古河電工グループは今後もエナメル線の生産能力を向上させ、電子部品市場へ貢献していきます。

Ni-Ti(ニッケルチタン)合金で、高い信頼性が求められる高度医療を支える

ニッケルとチタンから構成される特殊な合金で、大きな変形を加えても折れないしなやかさと元の形に戻る特性をもつNi-Ti(ニッケルチタン)合金。

古河電工グループのNi-Ti合金は、医療分野にも大きく貢献しています。近年、患者の体への負担を軽減する低侵襲医療ニーズ拡大に伴い、より外傷を小さく、回復時間を短くする医療デバイスの需要が急増。そうしたなかで古河電工のNi-Ti合金は、心筋梗塞や脳梗塞など血管疾患系のカテーテル治療におけるステントやガイドワイヤなどの医療デバイス用材料に使用されています。

今後も拡大していくことが予想される高度医療製品需要に応えるべく、より一層Ni-Ti合金の生産能力増強と新製品開発に注力していきます。

Ni-Ti合金製のチューブ
Ni-Ti合金製のワイヤが芯材に使われているガイドワイヤ

電装エレクトロニクス材料製品一覧

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